キミに恋の残業を命ずる
ちょっと目が開いた―――けどまた寝ちゃった。

もう!

こうなれば、と課長を揺すりまくって、耳元で…!


「課長!いい大人がなんですからっ!早く起きなさ…っきゃ!」


突然、伸びてきた手に引きずり込まれて、わたしは課長の腕の中にくるまれてしまった…!

吐息が耳に掛かって…きっちり抱き締めてくる腕がすごく熱い。


「…もう!いつまで寝ぼけてるんですかぁあ」


くすくす。


え、笑い声…?



「抱き枕は大人しくしてくれなきゃ寝心地悪いでしょ」


寝起きの割にはずいぶんしっかりした声が聞こえた…。


「課長…寝たふりしてましたね」

「ふふ」

「も~う!からかおうとして!」


無理矢理起きようとしたけど、課長の指がわたしの指に絡まって、さらにぎゅっとわたしの身体を抱き締めた。
温かい課長の手と体温にすっぽりくるまれ、わたしの体温はもっと上昇する…。
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