キミに恋の残業を命ずる
『俺は、愛した女は最期まで愛し抜く』


まさか、みんなの前で婚約を破棄するとでも言うのだろうか。
亜依子さんを捨て社長には恩を仇で返し、平凡な一般職員のわたしを取るとでも言うのだろうか。

…そんなドラマみたいなこと、有り得ない。


それとも、亜依子さんとは仮面夫婦でいて、わたしを人知れず愛するつもりでいるのだろうか…考えられない…。


もうよく解かっていた。
しょせん、現実は現実だ。


みんな幸せなハッピーエンド?
そんなメルヘン、この現実に存在なんかしない。


永遠の愛?


そんなの…ただの幻想だ。
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