凸凹リレイション
*凸*

 勝と琴美の間で決まった鍋パーティの集合時刻は四時。集合してから買い物するという寸法らしい。

 待ち合わせに向かう途中、香苗はショーウィンドウに映る自分の姿を何度も確認した。

 スカイブルーのカットソーに白のジーンズに、さらに寒さ対策として柄物のストールを巻いた。先日テレビで見て、大人っぽいと思ったものを、手持ちの服で何とか真似た格好だ。


(足出した方が元気よく見えたかもだけど……、子供っぽくみられるのも嫌だしね)

  
 きっと大丈夫。言い聞かせて先を急ぐ。

 忠志と会うのは先日四人で買い物に行って以来だ。

 メールのやり取りは毎日しているが、内容は【バイトで忙しい】とか【レポート、マジめんどい】とか日常報告みたいなものばかりで、甘い言葉はほとんどない。でも、会った時の彼は、臆面もなく褒め言葉を言う。同級生の男子とは違って、褒める事に照れを感じていないようなのだ。


(褒められるのは、嬉しいし、ね)


 とっておきのお出かけの時だけはく、ヒールのあるサンダルをかつんと鳴らして先を急いだ。



 *


 道の先に、大きく手を振る人影が見える。


「香苗。ここだよー」


 琴美だ。白地のレースのチュニックからは透けて見えるシャーベットピンクのインナーが、デニム地のホットパンツと合う。まるで、雑誌から抜け出したように可愛い。


「琴美早いのね」

「うん。楽しみだったから、すっごく早くついちゃった」


 琴美は左手からスマホを離さず、会話の間にもチェックする。

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