Who?
人を殺める度に裏執事に褒められた。褒められるというのは身体の滋養を活性化し、日常に張りが生まれると思った。張りが生まれたせいか、ピアノでは別のアクションが起こりつつあった。ジャズコンクールに出場したカナエは、ピアノ部門で優勝した。裏では人を殺め、表ではジャズピアニストとして歩み始めた。最年少ジャズピアニストということもあり世間は少しだけ騒いだ。しかし、騒げば騒ぐほど裏稼業に影響が出ると思ったカナエは、素性を明かすことに抵抗がありピアノに関しては海外を主戦場にすることを選んだ。というのもカナエを評価するのは一部の、業界を変えたいという人物で、古い慣習に染まる重鎮たちは少なからず彼女の激情に駆られたピアノを好いてはいない。であれば海外で活動した方が、今後、カナエにとっては重要なファクターになるのではないか、と思った。