アオゾラをカナデヨ
制服を脱ぎ、キッチンで簡単なサンドイッチを作って食べる。

オムレツを挟んだタマゴサンドは我が家の定番だ。

ずっと練習漬けだったため、ゆっくりする時間などあまり取れなかった。

窓を開けると少しだけ風が部屋に入ってくるが、それでも蒸し暑い。冷たいアイスティーを飲んでいると、テーブルの上に置いていたスマホが震えている。

一瞬、安斉くんが電話をくれたのかと期待したが、画面に映る文字は違っていた。

香子ーー⁈

ズキンと痛む胸には気づかないふりをして、画面をタップする。

「も、しもし?」

気持ちを抑えたつもりだけど、出た声は少し上ずっていた。

「あ、ソウ?」
「うん」
「急にごめん」

何だろう?安斉くんのこと?こんな時にどういうつもりなんだろう。

思わず何を言われるかと身構える。
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