アオゾラをカナデヨ
フタリのソラ


東関東大会から一夜明けた日の放課後。まだ吹奏楽部員は興奮冷めやらぬ様子だ。

昨日はみんなと遅くまで祝賀会を行い、盛り上がった。練習や緊張の疲れが取れていないが、心地よい疲れだ。

クラスの先生やみんなもこの朗報を聞いて喜んでくれた。

私は実梨や麻美にも、香子と話をしたこと、今日安斉くんと約束したことを伝えた。

ずっと歯がゆい思いをさせてしまっていた2人は喜んで顔をほころばせた。

少し遠回りをしてしまったのかもしれないけど、それはそれで意味があったんだと思う。そのおかげで、全国大会へと進むこともできたのだから。そう言って背中を押してくれた2人に見送られ、私は午後の教室を出る。

楽器室へ行くと、安斉くんはまだ来ていなかった。窓から見える空は大好きな青空だ。

昨日まで私たちと共に頑張ってくれたたくさんの楽器たちが並ぶ。

全国大会はまだ先だが、これからもうひと頑張りしてもらわないと。

カバーが掛けられたティンパニを触る。ふわふわした気持ちが押さえられない私を楽器たちが見守ってくれているようだ。
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