アオゾラをカナデヨ
タイヨウのオト


「おはよー!」

元気よく、前を歩く一平の肩をたたく。
私の通う学校より一平の学校の方が遠いはずなのに、よく会うのは何故だろう。

「んー……朝から元気だな」

相変わらず朝が苦手なようだ。まだ眠いのか目をこすっている。

「もう!連休明けには大会あるんでしょ?しっかりしなよ!」

「んー」

4月も半ばをすぎ、すっかり春めいて日差しが少し暑く感じるくらいだ。一平は暑いのか、制服の上着は脱いで肩に掛けている。

こんないい天気の日にボーっとしてたらもったいない。

「今日は彼女と一緒?」
「ん?いや、今日は朝練だって」

だからボーッと歩いてたのか。
きっと彼女には、こんなだらしない姿は見せないんだろう。

「ふふふ」

一平が彼女の前でカッコつけてる姿を想像すると可笑しくなる。

「は?何笑ってんだおまえ」

腑に落ちない表示の一平が少し足を早める。やっぱり遅刻しそうなんだな。
< 20 / 191 >

この作品をシェア

pagetop