アオゾラをカナデヨ
コイのナヤミ


んー、分からん。こんなの授業でやったかな。

テスト1週間前になり部活は休みに入ったが、部室には部員の半分くらいの人数が集まっていた。

みんなそれぞれ、勉強を教え合ったり、しゃべったり……楽器を吹いたり、しゃべったりしていた。

私も、そんな雰囲気が大好きで、毎回テスト前にはここに来てしまう。

でも、安斉くんの姿はなかった。

安斉くんとはあの日から、最初は泣いてしまったのが恥ずかしかったけれど、少しずつ距離が縮まったようで挨拶以外にも話をすることが増えていた。

まだ、自分の気持ちに自信を持てない部分もあるが、彼と話すたびにその気持ちが大きくなっていくのを感じている。

あーあ、数学ニガテ。さっきからずっと同じ問題に手こずっていた。

誰かに教えてもらおうかなぁ……。

グルグルと持っていたシャーペンを回す。
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