イジワルなカレの愛情表現
♯4【甘い言葉や瞳は本気の証?それとも……】
「なんだよ、全然呑んでねぇじゃん」

「いいえ、けっこう呑んでますから! 言っておきますけど永瀬さんがザルすぎるんです!!」


永瀬さんと居酒屋に来て早一時間。

既にビール三杯を飲み干し、だいぶ酔いが回ってきているというのに、目の前に座る永瀬さんは既にジョッキ五杯に、日本酒二本も呑んでいながら、至って平常運転。

むしろまだまだ呑み足りないと言った様子だ。


「それだけ口が回っていれば、まだまだ呑めるだろ? 女らしくサワーとか」


メニュー表を手にし、私の分を追加注文しようとする姿にギョッとし、慌てて永瀬さんの手からメニュー表を奪い取った。


「もうアルコールは結構です! でないと肝心のインタビューができなくなってしまいますから」


通りかかった店員にウーロン茶を注文し、元の場所にメニュー表を戻すと、なぜか永瀬さんは目をパチクリさせていた。


「なっ、なんですかその顔は」


疑いめいた目で見てしまう。
永瀬さんのことだ。またなにか予想外なことを言ってくるかもしれない。


身構えていたものの、彼の口から飛び出したのは拍子抜けしてしまう言葉だった。
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