恋はまるで、粉雪のようで。
近づいたふたり
櫂くんとつきあうことになった日。


家に入っても、なんだかふわふわした気持ちが続いていて、何も手につかなくて。


コートも脱がず、エアコンもつけず、ソファーに座ってぼんやりしていた。


バッグに入れっぱなしのスマホがふるえて、しんとした部屋に響いた。


スマホを手に取ると、櫂くんからのメッセージだった。


『いま家に着いたとこ。


今日はありがとう、ひなたさんとつきあえることになって、すごい嬉しい。


明日また会える?


俺は明後日休みだから、ひなたさんの都合のいい時間と場所を教えて』



そうだった。


会社の休み、ぜんぜん合わないんだよね。


櫂くんは土日祝日休みで、私は火水休み。


一日一緒にいられる日がないんだ。



思わず、はーっとため息が出てしまう。


でも、休みが合わないのは仕方のないことで。



『今日はごちそうさまでした。


明日は週末前でちょっと忙しいから、遅くなるかも。


また連絡します』



送信しながら、せつなくなってしまう。


初めからすれ違うことがわかっていて、うまくいくんだろうか。



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