桃色アルバム
老婆の言ったとおり、10分後に子供はきた。
門で立っている伊藤の手を無言で引き、歩き始めた。
こんな子供が、なぜあの人のつかいなんだろうか。
伊藤は首をひねりながら、子供の足を踏まないよう用心しながら歩いた。
「これ、つけて」
10分くらいたっただろうか。
子供から差し出されたアイマスクを、伊藤は手に取る。
「はずしちゃだめだよ」
目を隠すと、子供は満足したようにまた手を引き、歩き始めた。
神聖な場所とは、いったいどこなのか。
気になり、アイマスクの下から少し、目をのぞかせた。
まわりはまだ人がちらほらいる。
まわりを見渡し、再び目線をまっすぐに向けると、子供がじっとこちらを見ていた。
「はずしちゃだめって、言ったよね」
怒ったようにこちらをまっすぐにらみつけている。
その目線に伊藤はゾクリとした。
この子には、逆らわないほうがいい。
なんせあの老婆のつかいだ。
どんな力を持っているにしても、おかしいことではない。
いつしか、伊藤はそんなことを思うようになっていた。
おとなしく、目隠しをしたまま引っ張られる方向へ歩いた。
門で立っている伊藤の手を無言で引き、歩き始めた。
こんな子供が、なぜあの人のつかいなんだろうか。
伊藤は首をひねりながら、子供の足を踏まないよう用心しながら歩いた。
「これ、つけて」
10分くらいたっただろうか。
子供から差し出されたアイマスクを、伊藤は手に取る。
「はずしちゃだめだよ」
目を隠すと、子供は満足したようにまた手を引き、歩き始めた。
神聖な場所とは、いったいどこなのか。
気になり、アイマスクの下から少し、目をのぞかせた。
まわりはまだ人がちらほらいる。
まわりを見渡し、再び目線をまっすぐに向けると、子供がじっとこちらを見ていた。
「はずしちゃだめって、言ったよね」
怒ったようにこちらをまっすぐにらみつけている。
その目線に伊藤はゾクリとした。
この子には、逆らわないほうがいい。
なんせあの老婆のつかいだ。
どんな力を持っているにしても、おかしいことではない。
いつしか、伊藤はそんなことを思うようになっていた。
おとなしく、目隠しをしたまま引っ張られる方向へ歩いた。