この手を離さない
「脊椎の、特に胸椎の損傷が……。幸いにも上半身にはさほど問題ないらしいんだけど、車いす生活になるだろうってお医者様が……」



「そんなばかなことあるわけないじゃない!リハビリすればよくなるんでしょ!?今すぐ始めようよ!光輝はまだ若いから、案外すぐ歩けるようになるんじゃない?ねえ、光輝ママ!そうだって言ってよ!お願いだから!」



光輝ママの言葉を遮り叫ぶ。



しかし、言葉なく涙を流し続ける光輝ママの隣で叫ぶ私の声も、最後には秋風にかき消されてしまった。



これは冗談なんでしょ? 



こんなことが、こんなドラマみたいなことが現実に起こるわけないじゃない!



……なんちゃって。



分かってるよ。



光輝ママは冗談でこんな事を言う人じゃない。



これはまごうことなき現実だ。



でも、光輝が何をしたというの?



世の中、もっと天罰を受けるべき人間なんか山程いるじゃないか。



何で光輝なの?


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