砂時計
第一章 さよなら、愛しいひと

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『ごめん。忙しくて、しばらく逢えそうにない。』

自分から彼女のLINEにメッセージを送ったのは、鉛色の空が広がったある朝のことだった。

『わかった』

彼女から自分のLINEに短いメッセージが届いたのは、雪が降り出した午後のことだった。

『どんなに忙しくても、毎日、メッセージは送るから』

返信してから、窓の外を眺めた。雪が降って積もっても、いつかは解けて、やがて暖かな春が来る。

そう信じて、オレは闘う。いつか春が来たならば、必ず彼女に逢いに行くから。

『うん』

彼女から短いメッセージが届いたのは、窓の外の木や屋根にうっすらと雪が積もった夜だった。

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