砂時計
第四章 縮まらない距離

1

目覚まし時計の音に、ハッとして目を覚ます。

また、不思議な夢を見た。夢の中で逢う彼は、ずいぶんと痩せ細って、別人のように変わってしまっているけれど。

もしかしたら、逢わないうちに痩せてしまった今の彼の姿なのかもしれない。

別人のように変わってしまっても、優しい声や雰囲気、穏やかな笑みは変わらない。私が愛している彼に違いないのだ。

今夜もまた、彼に逢えるかな?

『また必ず逢えるから』

彼はそう言ってくれたから、今夜も信じて待つしかない。

夜が待ち遠しい。ベッドに潜り込むと、ギュッと瞼を閉じる。早く、彼に逢いたい。夢の中でもいい。触れなくても、触れられなくてもいい。

ひと目、彼に逢えたら。

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