100年分の恋の言葉
目の前には、黒く焼けた肌にわりかし短い髪、背はあたしより軽く上回っていて、ものすごくカッコいい訳でもなく、不細工な訳でもない至って普通の男の子だ。

「俺、原健。よろしく」

二カッと笑うと健康的な黒い肌に白い歯がよく映えた。

僅かな時間の間にいつの間にか京介は隣にいなかった。

「中野で…」

『中野です』

そう言おうと口を開くと原くんはあたしの言葉を遮って言った。

「知ってる」

頬をつり上げ、優しく微笑み、クスクスと笑った。

メールと印象が違う。
スポーツならなんでも出来そうな感じ。
勿論…運動神経いいんだろうな。

なんてあたしは心の中で呟いた。

「友達でっす!」

元気の良い明るい声が耳元からした。

恐る恐る後ろを見るとやっぱり芽衣の姿がしっかりとある。


< 26 / 43 >

この作品をシェア

pagetop