俺様上司は溺愛体質!?

 くるりと踵を返し、早足でエレベーターへと向かった。

「俺はもう、萩原に囚われてしまったのかもしれないな……」

 萩原ちとせに、心身ともに屈服させられる日はそう遠くないかもしれない。


 だが光がまぶしければまぶしいほど、影もまたその存在を増すもの。
 十年前、自分に深い影を落とした存在のことも、思わずにはいられなかった。


「いつまでも逃げ回ってはいられないな……」


 結局自分はここに戻ってきたのだから。




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