俺様上司は溺愛体質!?
十年前、真屋さんは瀧川さんを選んだ。
けれど五年後、真屋さんは『卑怯な自分が嫌になって』瀧川さんの元を離れた。
それから一切連絡はとっていなかった。
二人の会話からはっきりと聞き取れたのはこれだけだ。
(十年前……。あの頃かな。)
ちとせの脳裏で何百回と繰り返された真屋時臣の沈んだ表情。
自分をすり減らして生きるような暗い目。
(何を選んで苦しんだの。ねぇ真屋さん。十年前、五年前……瀧川さんと何があったの……?)