俺様上司は溺愛体質!?
 ランチタイムの社員食堂はたくさんの人で賑わっていた。
 今日の日替わりランチのメンチカツ定食にソースをかけながら、ちとせは呆れ顔で目の前の細布子を見つめる。

「大したことないわよ。こういうのは真屋時臣の同期に聞くとか、Facebookとかでいくらでも調べられるもの」
「へぇ……」

 ちとせも大学生の頃はFacebookを利用していたが、社会人になってからはすっかり放置していた。

(今度久しぶりにログインしてみようかな……。と言っても知り合いのリア充写真見せつけられるだけでダメージ食らいそうだけど。)

「だから逆に言えば、これは誰でも調べようと思えばわかるような情報であって、真屋時臣が取捨択一して世間に見せてる表の顔ってことでしょ。本当の真屋時臣ではないわけよね」
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