俺様上司は溺愛体質!?
(なんで私の考えてることがわかるの!?)

「顔に出すぎなんだ」

(またー!)

「あははっ、ちとせったら表情がころころ変わって面白いなー。子犬みたい」

 今日初めて会った潤まで悪乗りする始末である。

(私顔に出やすいんだ……そうだったんだ……気をつけよう。)


「まぁいい。三人目に時間がかかることは織り込み済みだ。まずは一番ものを知らない真っ白しろな萩原の教育から始めるか」
「はーい、ちょっと待ってください! 私だって一応ここの社員で一応四年目なんですけど!」

 失礼にもほどがあると憤慨するちとせだが、そんなちとせを見て真屋時臣は体の前で腕を組み、ジッとちとせを見つめる。

「な、なんですか……」

 彼の目は強い。
 顔に出る以前に、本当に何もかも見透かされそうなそんな気がしてしまう。

 だが真屋時臣の問いはそんなちとせの困惑を軽々と吹っ飛ばしてしまった。



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