俺様上司は溺愛体質!?

「ちーちゃん、営業部から内線二番に電話だよー」
「はーい」

 忙しそうにキーボードを叩く潤から言われて手元の電話の受話器を取る。

「お待たせしました。萩原です」
『小坂です』
「あっ、タエちゃん久しぶり!」
『真屋さんから頼まれてた販促計画書。向こう三ヶ月のまとまったからメールで送ったんだけど、届いてる?』
「計画書? ちょっと待って見てみるから」

 パソコンの社内メールを確認すると、確かにExcelの添付ファイルが届いていた。

「うん、届いてるよ」
『それでね、思い出したんだけど確か真屋さん、地方の売り上げも気にしてたから、一緒に送った方がいいかなと思ってね。あと昔のカタログとかもあるよ』
「あ、それは助かる」

 第三が発足してから一週間と経っていないが、七月にはプレスリリースを予定している。
 真屋時臣は関係各所を飛び回って多忙なので、潤とちとせが事務方の処理に追われているのだ。
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