小話置き場

「……大人になっても、こんな風に私を見つけてくれる？」

「いいけど、見つけて欲しいならちゃんと連絡してよ」

「……うん。迎えに来てって、言うよ」

「なら大丈夫だよ。利乃ちゃんはいつでもあの夏に還れる。ひとりじゃないから」

「……そっか。そうだね」


ひとりじゃないから。

きみがあの夏を知っていてくれるから、いつでも還ることができる。

あの夏を想い、彷徨い歩いても、こうしてきみが迎えに来てくれるから。



「来年の夏も、きっと眩しいよ」










fin.