甘く苦い、毒牙に蝕まれて




自分の教室に行くと、みんな友達と楽しそうにおしゃべりしてた。


始業式当日にも関わらず、教室は騒がしい空気に包まれている。

うるさい……。



自分の席に座って、カバンから本を出して読書を開始した。


周りのぺちゃくちゃ話す声が耳障りでたまらない。




「なぁ!お前、何読んでんの?」


頭上から声がして、顔を上げると、1人の男子生徒がすぐ目の前に。




「その本、面白いん?」


「……」


「お前、なんて名前?」


「……」



シカトを続けてたら、飽きたのか、すぐ「つまんねー奴」って言って友達の所に戻って行った。



< 6 / 200 >

この作品をシェア

pagetop