課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
 花田とみんなは盛り上がってなにやら話している。

 この流れだと恐らく……。
と、思った通り、いつぞやのように、同じテーブルで食べるはめになった。

 しばらく違う話をしたあとで、礼子が言う。

「真湖、松山に絵を見に行ったんでしょ?
 どうだった?」

 遊びに行った、ならもっと早くにいろいろと訊かれていたのだろうが。

 絵を見に行くと言っていたので、みんなあまり興味がないからか、今まで突っ込まれなかったようだ。

 礼子も話題が途切れたから、ふと訊いてみただけだろう。

「あ、すごい良かっ……」

 あーっ、と真湖は叫んで立ち上がる。

 なんだ? という顔でみんなが見た。

「お土産忘れましたよっ、課長っ」

 ……莫迦、という顔で雅喜が見ていた。

 しまった、と思い、咄嗟に、
「お、お土産忘れました、課長。
 申し訳ありません」
と頭を下げた。

「そうだよー、真湖ちゃん。
 お土産どうしたのかなーってずっと思ってたんだよー」
と花田がにやにや笑って言う。
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