恋するサクラ
「え?森野さんって、「桜」さんなんですか?」

 ほら出た。

 王道、主人公のライバル。

 佐倉さん……恭吾さんと一緒にこの花屋で働いている、美人の花江さん。

 
「私の名前も「花江」なんで、お花が大好きで」

 そうでしょうとも。

 そして、どうしても考えちゃう。

 この人が佐倉さんと結婚したら「佐倉花江」。

 なんて良い名前。

 チキショー

「桜ちゃんってかわいい名前ですね」

 そしていいやつ。

「花江さん、このリストの花を注文してください」

「はい」

 てきぱきと仕事するその姿は、どんな男もときめいちゃうよね。

 でも、恭吾さんの視線は、私に釘づけだった。

「森野さん、今からランチなんてどうですか?」

「え?あ、はい!ぜひ」

 ごめんね花江さん、やっぱり恭吾さんも私に運命感じちゃってるみたい。

 私たちを見送る花江さんが、少し怒っているように見えた。

 
< 17 / 35 >

この作品をシェア

pagetop