恋するサクラ
「この後食事でもどうですか?」

「あ、でも」

 後ろにいた真紀を見た。

「いいよ、私のことは気にしないで行ってきな」 
 
「あ、えっと、森野さんの会社のかたですよね、よかったら一緒に」

「いえいえ、お二人でごゆっくり~」

「じゃあちょっとお手洗いに」

 私は自分の顔が大丈夫か、鏡を見に行った。

 髪は、はねていないか。

 口紅は はげていないか。

 じっと鏡を見ていると、トイレの前で話をしている女の子の声がした。

「佐倉さん、何考えてるんだろう」

「ああ、あのイラストの人でしょー」

 わ!私のこと言ってる。

 で、出られない。
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