恋するサクラ
 真紀は思った通り、おなかを抱えて笑っていた。

「パン、かじりながら走ってて、角でぶつかった人がイケメンって!」

「本当に花しょったイケメンだったの!……ていうか、よく考えたら花屋の前だったかも……」

「あはははははははは あかん!ハラよじれる!」

「手を取った時、頭に鐘が鳴ったと思ってたけど、近くの教会の鐘の音だったかも……」

「あんたおもしろすぎる!少女マンガか!」

 おなかを抱えてゲラゲラ笑う真紀。笑いすぎ!まあ、私もそう思ったけど。

「そう言えば、あんたの名前、「森野 桜」じゃん!少女マンガに出てきそうな名前!その男の人が、「海野 貝」とかだったら、ばっちりじゃない?あはははははは」

 何がばっちりなんだか。

 貝ってなんだよ。

イラストレーター「森野 桜」結婚して「海野 桜」になります……っておかしいだろっ
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