武士になりたい!
【沖田総司】





烝の記憶が戻った


体調が戻らないうちに


仕事に復活した



「平気!平気!」

なんて、ヘラヘラ笑う


以前は、壁を作り上げ

笑いもしなかったのに

今回は、ヘラヘラ笑って

適当に人との距離を保つ


特に土方さんとは、ぎくしゃくしている


「薬持ってきたで」


金平糖は、なかった


「烝」

「なんや?」

「僕、小菊と恋仲になりました」

「……そうか おめでとさん!」


にこっと笑って、部屋を出ようとした


「烝は?土方さんと恋仲に」

「勝手に決めるな!!」


僕を睨み、出て行った


烝がヘラヘラするのは、同情を避ける為だろうと土方さんが言った


新選組が幕府に取り立てられると決まり

名簿を出す際


あんなに武士になりたいと言っていたのに


「俺は、外して下さい」


そう言い、にっこり笑った


吉村君の指導を再開して、尾形君と三人

いつも笑いが耐えない



「永倉!飲みにいかへん?」



それは、珍しいなんてものじゃない



烝が永倉君と二人きりで

出掛けたのだ



ヘラヘラ笑って、酔った永倉君を肩で支え

帰って来た


「誘う奴間違えた…やっぱりコイツ
あかん奴や!!!」



そう言って僕の隣、永倉君の部屋に

永倉君を転がした


なんだか笑えてクスクスいってると


「チッ」


舌打ちされた



大方、酔っぱらって裸踊りでも始めたんだろう


それを止める烝を想像したら


また笑えた








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