武士になりたい!
【山崎烝】



総ちゃんに… 辛い なんて言わせてまで

そばにいたいなんて、我が儘言えるはずもない

吉村に看病を頼んで一人になりたくて

屯所を出た

ついでに、御陵衛士の偵察もしよう

はっきり言って、仕事の気分やない

チラリと除いて藤堂や斎藤の姿が見えず

特に変わったこともなかったから

引き上げた



何となく屯所に帰る気分でもない



監察方が着替えなどの為に借りてる家へ



しんど……



少し胸が痛み横になる














「山崎さん!!…山崎さん!!」

「へ?」

「今、敵に襲われたら死んでますね!」

「ん?」

「疲れてるんですね?」

「え?」


あかん… 全く状況がわからん

夜やし、尾形が呆れ顔やし


「山崎さんが帰って来ないから
副長に捜索頼まれたんですよ!?」

「うわっ 怒ってた?」

「心配してましたけど…怒られるでしょう
間違いなく!!!」

「よく寝たんやろな!
なんか、めっちゃスッキリや!
よっしゃ!!!説教覚悟で帰るか!!!」







屯所






「寝てただと?」

まるで、鬼の様な目で睨まれる

「すみません」

「尾形」

「本当です…俺が、何回か呼んでやっと
目を覚ますくらいぐっすりでした」

「はぁ~ 心配するだろうが!
寝るなら、屯所でいいだろ!!」

「すみません」

「ほら!寝るつもりなくて、横になったら
ぐっすりって感じですよ!ね?」

ワイが言い訳せえへんから、尾形が
必死に庇ってくれる


「体調が悪いわけではないんだな?」


「はい」


副長は、おでこに手を当ててきた


「熱は、ねえな」

「ぐっすり眠れて、めっちゃスッキリしてますよ …すみませんでした
本当、ちょっと横になったつもりで
起きて、ビックリしました」

「ぷっ 山崎さんの寝坊っぷりは
なかなか笑えましたよ
全然、状況を理解してくれないから」




尾形のおかげで、あまり怒られずにすんだ






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