武士になりたい!
「よう?総司どうしたんだ?」


どうした?じゃないよ!

大方、土方さんあたりに様子を見てこいと
言われたんでしょ?

「永倉君 こんにちは
別にどうもしませんよ?」


「そうか? 近藤さんの頼みを断ったと
聞いたけど?」


そう来ましたか…


「だって… 女装しろって…」


「そりゃあ俺も嫌だな…
だが、仕事の内容聞いたのか?」


「え?」    …そういえば聞いてない


「長州の潜伏している屋敷に潜入して
間取りや人数を見るんだそうだぞ?」


「……」


「いくら山崎がこそこそするの得意でも
あの着物じゃあな…
総司なら、剣の腕がある
って、事だったみたいだぞ?
万が一、素性がバレても二人でどうにか
逃げてくれればいいなってな」


「……僕

やっぱり行こうかな…」


永倉君にまんまとのせられた



「やめとき?無理せんでええよ!
一人でどうにかやるさかい!」



結局、山崎君は一人で行ってしまった












山崎君が帰る頃

土方さんの部屋に幹部が集められた


戻ってきた山崎君は、着物ではなく
いつもの忍装束だった


間取りなどをスラスラと書く


人数は、ざっと五十 など


報告が終わると土方さんが山崎君を睨む


「なんかあったのか?」

「……別に」


土方さんだけじゃなく、皆が思ったはず

嘘だって




だけど、山崎君は



「仕事以外の事ですので…」


心のない言い方


「明日も店か?」

「明日は、特に…」

「なら、明日ゆっくり聞いてやろう」 

「なんでやねん…」



ちょっと嫌そうに言った





だけど、山崎君がいつもとあんまり違うから、僕だって心配になるよ


「昔の連れにばったり会っただけです!」

「結婚してたときの?」

「そうです…」











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