武士になりたい!
看病の手伝いって、思った以上に大変…

これをずっと一人でこなしてたなんて…




「辛い仕事だな…」





珍しくそんな弱音を吐いたのは

斎藤君だった




「だから土方さんが手伝いをするように
僕らに言ったんでしょ?」


「言われる前に、気づいてやることも
出来たはずだと思ってな…」




その通りだ…




山崎君の目の下には、クマ

あの細い体で…


何度も井戸に水を汲みに行くなんて


僕らは、二人でも大変…なんて

軽く思ったことに、反省した


そして、斎藤君の言う通り



僕は、山崎君が女子であると知っているのだから

気づいてあげるべきだった










「ありがとうございました
おかげで、全員復帰ですね」


素っ気ない喋り方…


「お礼は、団子でいいですよ!」

「斎藤は?」

「いや… 俺は…」

「好物は?」

「…蕎麦」

「蕎麦? 明日の夕餉でいいですか?」

「うん!」

「ああ ありがとう」


山崎君は、僕らとあまり関わらないように
気をつけている

でも、お礼をしたいとか


律儀だよね!!


そういうところ


好きだなぁ~












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