武士になりたい!
「篠塚の妹 涼花!ってどうですか」


幹部に囲まれて、カチコチに固まっている

という、珍しい烝に皆が釘付け


「女中仕事出来るよね?涼花?」

「へぇ 出来ますけど…」

「けど…何?」

「怖い…」

「ほら!皆さんがジロジロ見るから!!」

「いや!見るなって無理だろ!!」

「まるで別人だな」

「もう!!怖がるから!!」

一斉に喋りだす幹部に怯えきっている
そんな、烝に土方さんが優しく言った



「涼花 おめぇは、どうしたい?
総司の言う通りにする必要はねえぞ
元の家で、暮らしたっていんだ」


「料理くらい出来ます!!
繕い物も!!洗濯も掃除もします!!
元の家って、言われても…
どこやわからんもん…ここにおったら
あかん?」


「決まりですね!涼花さん屯所の案内を
してさしあげます!」


山南さんが烝を連れ出した



「総司 山崎は、ここにいることが
つらかったんじゃねぇか?
外で、普通に女として生きることだって
出来る
何も一つ屋根の下に無理やり置かなくても
いんじゃねぇか?」

「嫌です!!!
恋仲だからじゃありませんよ!
僕は、基本 山崎君が嫌いですから!
自分の身くらい守れるって、偉そうに言う
クセに!全然、自分を大事にしない
山崎君が嫌いです!!!
だけど、そんな山崎君に気づいてて
知らんぷりした僕がもっと嫌いです!!
仲間でしょ… 助けてあげましょうよ!
…お願いします
僕、一人じゃ…力不足なんです!」


「総司より、俺の方に惚れるかもな!」

「まあ 可愛いしな?」

「年上って感じしないし、俺
ありだな!」

「うむっ 料理も旨い」



こんなに簡単に女としても新選組の
幹部に認められた







早く思い出して…





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