武士になりたい!

【山崎烝(涼花)】



武士って、ええなぁ~


憧れの人らが、こないぎょうさん
いてるやなんて!


しかも、剣術の腕も凄い!!


うちも稽古さして貰いたいなぁ~




「副長さん お茶どうぞ」


「おう 涼花 困った事はねぇか?」

「皆さんよくしてもろてます!
感謝ですわ!おおきに!!」


副長さんは、うちが笑うといつも

優しくそして、少し悲しそうに目を細める


「ほな、失礼します」



立ち上がり、襖の方に向き

何やら違和感を覚える



「どうした?」

「いえ、なんも… 」



廊下に出て、歩く



「涼花さん?どうしたの?」

「山南副長さん… 」

「僕の部屋で休んで行きなさい」

「へえ おおきに
あの… 前にもここでお茶貰ったような」

「あっ失礼!お茶を入れましょう!」

「やっ!催促したみたいやん!!
ええ!!うちがします!!」

「いんだよ
僕は、手を怪我してからね
ある人に、お茶を上手に出せるように
鍛えられてね
だから、お茶は自分でいれるんだよ」




「…おいし!!
なんや、ホッとする…」

「ふふっ いや、すまない
そのある人と同じ事を言ったから
涼花さんは、武士になりたい?」

「沖田さんにきいたん?」

「いえ、君が真剣に稽古を見てたからね」

「ここは、憧れの武士さんの宝庫やね!
山南副長さんも手を怪我せえへんかったら、めちゃ強かったやろ?
せやけど、手が悪くても
山南副長さんは、頭がよろしいさかい
皆に頼られて凄いことやな!」

「ふふっ ありがとう
同じ事を二度も言われたら
なんだか、その気になるよ」

「山南副長さんは、気づいてへんの?」

「何がだい?」

「皆が頑張れるんは、山南副長さんが
頑張ってはるからやで?
優しいて、強いて、その上頭もええんや
そら、皆が慕ってるはずやんな!
山南副長さん?
うち、時々ここに遊びに来たらあかん?」

「ふふっ 
いつもそうしてたじゃないですか
歓迎しますよ」

「いつも?」








やっぱり…

覚えてる…


このお茶の味も

この癒やされる感じも








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