飛んでけチョコレート
飛んでけチョコレート


とある河川敷

夕方 18時

仲原 咲歩(23)はポツンと一人立っていた
日も落ちきって暗い中
若干、泣きながら

そして手には綺麗にラッピングされたチョコレート。

そう今日は、いわゆるバレンタイン

“2月14日”

なぜ、こんな世の中のめでたい日に
こんな寂しい状況に陥っているのか

それは遡ること6時間前
ちょうど会社のお昼休みのことだ

今日は入社して以来いい感じだった先輩にチョコレートを渡そうと張り切っていた。
前日に昼休みに会う約束もこぎつけ、
先輩も楽しみ♪と何の呼び出しかわかりきっているかのように言っていた。

そろそろ恋人同士に…
なんて、そんな事さえ期待してしまうぐらいの関係だった。

な、の、に!!

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