スキorキライ
私の思い
~美咲side~

「誰よりも君が好きです。僕と付き合ってください」

健二君に呼び出されて、こう告白された。

「……えっと、少し考えさせて」

私は健二君に告白されたことにとても混乱していた。

もともと私は人を好きになったことがなかった。
勿論恋愛的な意味で。

だから告白されても躊躇いなく断っていた。

なのに今、私は健二君に告白されて戸惑っている。

そんなのおかしい。
だって健二君とは昨日まともに話したばかりだもの。
いつもの私なら断っているだろう。

だったら断ってしまえばいい。

そんなの一言「ごめんなさい」って言うだけ。
すごく簡単なことだ。

「……ダメだよ…」

思わず小さく呟いた。
私の中に、健二君の告白を受け入れようとしている自分がいることに驚いた。

健二くんのことを思い浮かべる。

昨日、私の傷を手当てしてくれた。

優しく頭を撫でてくれた。
それに思わずドキッとしてしまった。

そうなんだ。

私は、そんな健二君のことが――

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