キミのバスケを守りたい
走って、走って、階段を上って
ぎゅっと早瀬が離れないように腕を掴み直して部室まで走った。
そして、部室のドアを開けて中に入った瞬間……。
俺は「ごめん」と言いながら、早瀬のことを自分の腕の中に閉じ込めた。
「……お願いだから、いなくなったりしないで。
バスケをもう一度やって辛い思いをさせてしまったこと、わたしのせいだってちゃんと分かってる。
怒っても攻めてもいいから……おねがい……」
震えながら、か細い声で今にも泣き出しそうな早瀬。
自分でも本当に自分勝手だと思うし、バカだと思う。
俺のために一緒に頑張ってきてくれたのに、バスケができなくなった途端姿を消すなんて本当に最低なことをしようとした……。