E・N・M・A~えんま~
《我は……》
『我は』の後、語尾がかすれて聞き取れなかったが、何かとても懐かしい名前を言われた…
そんな気がした。
「え!?
聞こえないッ…」
自分でもなぜなか不思議だったけれど、胸が締め付けられるくらいに苦しくなって、声は涙のせいでかすれている。
自分の声じゃないみたいだよ。
《我が名は……》
その声と同時に、部屋の中で、風が吹いた
――気がした。
…………ッ???
え、なに!?
何かが、唇に触れた……。
そう感じた次の瞬間には、ワタシの身体に圧迫感がした。
というか、抱き締められてる???
暗闇の中でも響きそうな位に脈打つ心臓の音が、聞こえるほどにどきどきしているのが自分でも分かる。
『あの人』だ――。
何も見えてはいないのに、なぜ彼だと思ってしまうんだ
ろう。
脳裏に浮かぶのは、銀色の長いさらさらな髪をなびかせてたたずむ、燃えるような赤い瞳をした彼の美しい姿だった。
《明日…明日だ……我が名を呼べ……》
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