E・N・M・A~えんま~


夜の帳(とばり)の中、人とも思えないほどきらびやかないで立ちの男が立っていた。




銀色の腰まである長い髪。



切れ長の目ーー瞳は赤く燃え盛る炎のよう。




唇は薄く、やはり瞳と似た朱色をしていた。





《時は満ちた》




頭の中に響く声。



低音の男の声だった。




《ちなつーー》




男は、更に近付くと、
その大きな体で私の体を包みこんだ。
















< 6 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop