E・N・M・A~えんま~



《息子よ、そなたを次の月蝕の日において正式に○○代目閻魔とする》



頭の中で、父親の声がリフレインする。


後を継ぎたくない訳ではない。ただ、言われた通りに敷かれたレールをそのまま歩く事に抵抗を感じた。それだけだった。



ふらふらと物思いにふけりながらたどり着いた場所は、『人界』へ通じているという赤門の前だった。



そして、自分が未だ開けた事のない赤門をくぐり抜けたのだーー。


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