最果てでもお約束。
最果てでもお約束。
「こう・・・いっぱい寝言」
クスクスと笑う声で目が覚めた。
本を膝の上に乗せたまま眠っていたので、首がやたらと凝っている。
「ん・・・・やっぱり夢かよ」
薄々とは気がついていたけれど、本当に夢だった。
その夢の内容だって、火にかざした薄紙のようにめりめりと消えて行く。
布団に横になったままのアキラから目を外して、ベランダに視線をやると外は夕闇。
「ぁあ・・・何時間眠ってたんだ」
ソファベッドにもたれたまま眠っていたのにも関わらず、体は恐ろしい程軽い。
「んー・・・オレもついさっき起きたからね、時計そっちからしか見えないでしょ?」
確かに。目覚まし用に買ったアナログ置時計はソファベッド側からしか見えない。
手元に手繰り寄せて見ると、その針は丁度05:00を指していた。
「おー・・・正味5時間も眠ってたか」
固まった筋肉を解そうと立ち上がって伸びをしてみるが、体の筋肉は首以外どこも凝ってはおらず弾力を保ったまま。
「まぁほら・・・あんな事があったからねぇ」
あんな事・・・・そう言えば町中の他国勢力はどうなっただろうか?制圧されたか?
もし制圧されていたとすると、この町中にかかっている妨害電波やらネットの遮断は解決されているはず。
携帯を探すと、ベランダ近くに放り投げられていた。
それを拾って、気分転換も兼ねてベランダに出てみる。
・・・・・寒い。
おかしい・・・・もう夏が目の前だというのに、夕方でこの寒さは無い。
首を捻りながら携帯を開く。新着メールも電話も無し。もしかしたら、まだ電波妨害は続いているのかもしれない。確認の為にまた対4国管理室のアドレスを開こうとして気がついた。
「あ」
日付が変わっている。
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