最果てでもお約束。
どっちに歩こうか。
「うはー・・・ごちでしたぁ・・・・」
おにぎり2個でそんな腹いっぱいになんのかよ!と突っ込みを入れたくなるような腹いっぱいもう何も入らないよーなポーズの旅人。
家に一緒に帰って狭い部屋の中小さな机に面と向かっておにぎりを食べる瞬間まではシリアスな顔してたのになぁ・・・。いや、ごろりとコンビニの袋から机に転がりだしたおにぎりを見た頃にはすでに「いやーすいやせんねー」とか言ってたような気がする。
「さて、さっきの話だけどさ」
「あぁ!それそれ!やっぱおかかで正解でした!オス!」
首だけかっくんと下を向く旅人。
「いや・・・そっちじゃなくて」
「じょーだんじょーだんははははは」
もう何も知らずに町に入って殺されてしまえとかチラッと思いました。正直。
「わーってますよ。コンビニのBGMが大きかった件ともぞもぞやらしい左手の件ですにゃー」
「ん・・・なんかニュアンスがアレだけどまぁいいか」
にゃーとか言うな。
「説明下手だから・・・っつーか話すのが下手だから手短に。えっと・・・左手がもぞもぞしてたのはね、アレは”携帯”を出してたんだよ」
「はぃ?携帯?なんで?誰かに電話するの?」
「うん、まぁ”携帯”っつっても用があるのはカメラ機能なんだよ」
「カメラ?って・・・・盗撮?」
ちょっと違うんだけどね。
「まぁ・・・だいたい本人に同意は求めないから盗撮って事になるのかな。まぁそうだよ、人を撮影するんだ」
「でもさ、あれって確か肖像権がどうとかあって、本人が嫌がったら撮影しても消さなきゃいけないんじゃね?」
「まぁぼくもそのあたりは良く知らないけれど、多分そうだろうね」
「じゃあさ、ちょっと注意されてたらもう撮影されないじゃん。」
「なんで?」
「ほら、写メって撮影するときに”カシャッ”とか音が・・・あ!」
目を見開く。察しが良くて助かるなぁ。
「ご明察。だから店のBGMが・・・」
「不自然にちょっと大きい!」
おおーっと推理小説のトリックを説明されたように変な感銘を受けている。
・・・・こっちも何故か気持ちいい。ちょっと名探偵の気持ちがわかった(多分間違い)
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