Blue Moon
「行くよ」
次に我に返った時、すぐ目の前にネオがいた。
「「ありがとうございました」」
上品な言葉を背後で聞きながら、外への扉を開ける。
「ネオ…!
私、また…」
彼と視線を合わせてから、ああ、と項垂れた。
私はここまで、貰ってしかいない。
私が、何一つ知らないばかりに。
「大丈夫。
大丈夫だから、あんたが気にすることはない」
ポン、と頭の上に置かれた手が小さく揺れる。
「…気にするわよ…!
だから、代わり…にはならないかもしれないけれど。これを…」
ネオの優しさに、いつまでも甘えてはいられない。
ただのお荷物には、なりたくない。
私は、今まで持っていた古い懐中時計を彼の前に差し出した。