こころ
アンリアル
デジタル化された情報は要らない。
そんなの信じたってさ、馬鹿みたいだろ。

目の前の「真実」を信じないで、
画面越しの「虚像」を信じるの?

全てが偽りな訳では無い。
そう、だって苦しそうに泣いたアナタは僕の知る人だったから。


待たなくて良いと嘯く唇を手で塞ぎ、
その瞳を見詰めれば溢れ出す本音。

「後悔はしていない」
知っているよ。

「充実しているんだ」
知っているよ。

「ただ、」
聞かせてよ、僕だけに。

「時々、とても、ーーー」
知ってたよ、ねえ。


顔を片手で覆うアナタを僕はそっと抱き寄せた。
声を押し殺して泣く様は、精一杯の強がりか。
それとも弱音を吐く事すら己に禁じていたのだろうか。


世間がタグ付けしたアナタ。
僕の識る、キミ。
ふとした瞬間に見せる共通点。


僕はわざと無知なフリしてさ、
甘い嘘を啜るんだ。
キミが望むならそれでイイさ。
道化はドチラかだなんて、今更そんな話は良いだろう?
そんな話題は手のひらで丸めて燃やして。
排出された燃え滓は言葉通り水に流してしまえよ。



僕に見せるキミが全て偽りとは思わない。
そこまで僕は馬鹿では無いよ。
待って無くて良いと謳う言葉の真意を探れるぐらいにはね。


甘い甘い毒に侵された僕はもう中毒者。
偶には苦いスパイスも舐めさせて。
君の真実を織り交ぜて。
それまで僕は、目を伏せて置くから。

ねえ、僕はキミの居場所に成れただろうか?
いつか僕達の道化が終わりを告げ、その応えが聞ける日が来ると良い。
どんな結末だろうと文句は無いさ。
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流行やお洒落に敏感な女の子なんだなと思った。 僕が彼女と初めて会った時の格好を今でも鮮明に思い出せるよ。 髪色は暗めのベージュかと思っていたら、日に当たると控えめにピンクが主張して。 (桜を先取りしたかったと君ははにかんでいた) その日はとても暖かい陽気だったから、君はパステルカラーのスプリングコートを着ていたよね。 面接時には軽く畳んで腕に掛けていたけれど、淡い青色が新鮮でやたらと僕の興味を引いた。 コートの中はストライプシャツに、白のパンツ。 普段着で来てって言うと明らかに残念なタイプと、気合いが入り過ぎるタイプの2種類だけど彼女は違った。 程良い綺麗めスタイルでかなりの好印象だったんだよ。 そんな彼女に恋をするまで、時間は掛からなかった。 そして僕は、彼女の愛想の良さと反比例する、暗い瞳に違和感を覚える。 「いらっしゃいませ、ようこそ、喫茶店[徒然草]へ」 ※同性愛要素(LGBT)を含みます。 苦手な方や偏見のある方の閲覧は御気分を害する可能性がありますので、御控えください。 それでも閲覧された際には自己責任でお願い致します。

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