狂気の王と永遠の愛(接吻)を～イベント編～

変化

一瞬、驚いたスカーレットは目を丸くして動きを止めたが、すぐにその眉間には皺が寄せられていく。


「…え？」


「お前は自分の意志でここにいるの？」


「……」


「赤ん坊の時からここにいるってことは、侍女になるしかなかったんだろ？」


「私は…親がいないんです。だからキュリオ様が親代わりに…」


「じゃあキュリオ様にずっと傍にいろって命じられたらそうするつもりか？いくら恩があるって言っても、それこそお前の人生だろ？」


キュリオが必要以上にアオイに執着していることがずっと気になっていたスカーレット。すると…


「私は構いません。今までの人生も、きっとこれから先もキュリオ様が全てですから」


「……」

(…嫌々じゃないんだな…そしてきっとアオイも…)


「……そうやって言い切るなよ。そんな事言われたらお前を好きな男が可哀想だろ？」


「……え？」


「堂々と男でいられたらって…初めてそう思った。お前がそうさせたんだ」


真剣なスカーレットの眼差しに捕らわれ、アオイは動けない。そしてまた彼の顔が近づくと…