狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
 日付も変わろうかという時分――……

 静まり返った自室の中で灯りも付けず、窓辺に寄りかかるキュリオ横顔は月明かりに照らされて冷たい美しさを放っていた。

「…………」

(食事にも顔を出さないとは大した徹底ぶりだな……)

 アオイは帰宅してすぐ眠ってしまったとカイから報告は受けたものの、幼少期より深い絆で結ばれているふたりが互いのために偽りを述べるのは珍しくない。

”……お父様、お願いです。お城の中でワガママはもう言いません……だから、それ以外のところでは……もう少し自由にさせて頂けませんか?”

 耳に残る保健室でのアオイの言葉。外の世界が珍しいばかりに憧れを抱いていたのかと思っていたが、彼女はどうやらその先にある他者との交流に楽しさを見出してしまったらしいことがわかる。

「やはり城から出すべきではなかったか」

 不機嫌そうに呟かれた言葉を室内へ残しキュリオは部屋を出た。


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