狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

疑惑の少女Ⅱ

さらに詮索しようとするスカーレットのもとに一人の男の声が近づいてきた。


「ここにおいででしたかっ!スカーレット殿!!」


「ブラスト…」


「ささっ!こちらのハチマキをどうぞお使い下さい!スカーレット殿に似合った赤いハチマキです!!」


「…俺には必要ないよブラスト。この髪があれば赤組だってすぐわかるだろ?」


スカーレットはアオイに言われた言葉をブラストに向けて笑いかける。


「なるほど!それもそうですな!!」


そしてその笑みはアオイにも向けられ…


「お前が赤組でよかった」


「…スカーレットさん…」


二人の視線が絡むが…すぐに逸らされ、真顔に戻ったスカーレットがキュリオに一礼する。


「妹が待ってるので俺は一度失礼します」


「…あぁ」


"一度"という表現にキュリオは眉をひそめたが、俊足の彼女の姿はもうそこにはない。



< 70 / 241 >

この作品をシェア

pagetop