ただ、それだけのこと
小さく呟いたその声は、プレーヤーたちの声にかき消されたらしい。
先輩には聞こえなかったようで、さっきまでと変わらず彼らを見てる。
そんな先輩を一瞥して、今度は気付かれないよう意識的に小さく溜息を零した。
『残念ですよね』
自分は一体、誰に対してそう呟いたのだろう。
叶わぬ恋をしているイケメンに?
そのイケメンに想われている先輩に?
……違う。
その言葉をぶつけたのは
そんなイケメンを好きな自分にだ。