ただのジャンケンDeath(デス)

クラスメイトの一人。


堀島 叶斗(ほりしま かなと)がそう言った。




奥田はその言葉に身を震わせる。





「ちょっと!何を死ぬ前提で言ってんのよ!

死なない可能性もあるわよ?

それに乱同君!ひどすぎよ!最低!

奥田君の気持ちも考えて!!」




そう言ったのは神田 命(かんだ みこと)。



気が強く、何でも思ったことを言ってくれる。


クラスのまとめ役で、皆が言いにくいことをさらりと言ってくれるので結構好かれていた子だ。





「ジャンケンするのは仕方ないけど今、そんな言葉をかける必要なんてない!」





そうやって二人を睨み付けながらいい放った。






「ご、ごめん。悪かったよ」








堀島が謝る。




悪気はなかったのだろう。




その言葉を聞いた神田は次に乱同だけを強く睨み付ける。






「………………っ、…………勝手に言ってろ!

お前にどうこう言われる筋合いはねぇんだよ!

どうせもうすぐこいつは死ぬさ。

こいつに何を言おうと勝手なんだよ!!!」







まあ、予想はしていた。




乱同が素直に言うことを聞いたり、謝ったりする訳がない。






その言葉を聞いた神田はただひたすらに乱同に向けて最低!などの言葉を叫び続けていた。








乱同があのイスに固定されていなかったなら今ごろ神田は一発ぐらい殴られていただろう。








乱同に男も女も関係はない。








やがてモニターの画面が変わった。





神田がやっと黙り込む。







モニターには奥田の名簿番号である“10番”という文字と





“ゲームオーバー、罰を与える”という文が提示されていた。








死ぬ。






おそらく。







これから。






ともに過ごしてきた仲間の一人が。






奥田 隼人という人間が。







奥田のイスから何かの音がした。






音のした場所は穴。







あのイスの所々にあった穴からだ。

























~ジャンケンタイム~







最初はグーーーーーーーーーーーーーーー!











ジャーンケーーーン





























































グー
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