ただのジャンケンDeath(デス)


「な、何だよ。おい、何がおきてるんだよ。



おい!誰か!!助けてくれ!!



こわい!こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい…………」







奥田が壊れた。




それはそうだろう。





こんな場面におちいったら誰でもそうなる。






…………………………………………?






乱同の様子がおかしい。






ずっと何かを奥田に呟いている。







その表情には落ち着きがなく、青ざめ、今にも倒れてしまいそうだった。






僕は乱同の言葉に耳をすます。







それはだんだんとはっきり聞こえるようになった。






その言葉は



「すまねぇ」だ。







ずっと、ずっと奥田にむかって「すまない」と謝っているのだ。












負けた方はもちろんだが、勝った方もつらいのだ。






直接手をあげないといっても奥田を殺すのは乱同だ。








乱同の心に罪悪感がゆっくりと、一生残るようにどんどんと芽生えてゆく。









乱同の言葉を聞くことに集中しすぎた。






乱同の本心が僕の中に入ってくる。

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