『N』ー忍びで候うー
「まぁまぁまぁまぁ、、っ、希代香ちゃん!」
ぐいと顔を思い切り固定され、あたしはおばあちゃまの後ろに行きかけていた意識もろとも、おばあちゃまの顔に向きあった。

「どうしたの?!」
おばあちゃまとあたしの声が重なった。


まぁるい眼鏡越しの目がふふっと笑った。
「私とそっくりね。」

私も大好きなおばあちゃまの元気な姿に目元がゆるんだ。

その時になって、くすっと笑う声が聞こえた。
おばあちゃまの後ろで。

「やぁね、何か可笑しかったかしら?」

「いえいえ、まるでお二人が双子のように可愛らしかったので。つい。」

こぽこぽっと手元で音を立てながら、カウンターの向こうにいた男の人が小さく会釈するのが見えた。

あたしもぺこりと頭を下げた。

さっぱりした短髪にパリッと白いシャツ、胸には黒いエプロン姿。
ここのマスターかな?

美味しそうなコーヒーの香りが漂ってきていた。


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