『N』ー忍びで候うー
14.特訓の成果
「誰だ?」



締め付けられた腕にさらにぎりぎりと力が加えられる。痛さで悲鳴が漏れるが、しっかり塞がれた口元からは声が出せない。



一花に、、知らせなきゃ、、


あたしは夢中で、なんとか音を出そうと足をばたつかせた。その足にスツールがひっかかり、大きな音を立てて倒れた。

途端、ぐっとそのまま身体を捻り上げられる。
きやゃぁ、、、っ!!!
「何の真似だ。」
首筋に背後から息がかかる。

「やめろ。」

びしっと声が響いた。

一花、、!
「なに?」
背後の声が言った。


一花を見ただけで涙が出そうになる。

トイレから戻ってきた三田と、一花と六車。
三人に気を取られているのか、縛り上げている力が緩んだ気がした。。




「ぇ、、ぇーぃっ!!!!」



頭は真っ白だった。



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